すっきり楽しく暮らしたい

映画、読書、ご飯、お出かけの記録。時々、世の中に小さな毒を吐きます…

ぼくの家族と祖国の戦争

終戦が近い第二次世界大戦時の
デンマークを題材にした映画です。


ホロコーストに関する映画は
これまでたくさん観て来ましたが

正直、この頃のデンマーク
どんな風に戦争の影響を受けていたのか

恥ずかしながらほぼ無知でした。


調べてみると
デンマークナチス政権に積極的に抵抗した
唯一の占領国だったとのこと。


この背景を知っているかどうかで
見方が少し違っていたかもしれません。反省。





時は終戦間近の1945年

市民大学の学長一家が
ナチから強制的に送り込まれたドイツ難民を
葛藤しながらも受け入れよう、助けようとするお話です。


200人と聞いていたはずの難民は
到着すると500人を超えていて

彼らのために開放した体育館はすし詰め状態。


ドイツからの食料や医療の支援は届かず
ジフテリアの感染が蔓延していく。

隔離が必要、薬が必要

でもデンマークの人達にとって
ドイツ人は今まさに祖国を占領している敵なのです。


それでも飢えていく人達にミルクを配る学長の妻

学長自身も、最初は「支援をするな」という周りからの圧力に頷くしかなかったけれど

どんどん広まる感染、亡くなる子供や老人たちの姿を見ているうちに

危険を犯して薬を手に入れ
体育館だけでなく、隔離のために校舎を貸し出す。


当然学長の息子である主人公は
周りからイジメに合います。

そんな時救ってくれたのは
ドイツ人難民の女の子でした。


やがて女の子もジフテリアにかかり
でもドイツ人を診てくれる病院はなく。。

目の前で消えかけている小さな命

そこに国籍も戦争も関係はない!
救いたい!

その純粋な思いが大人たちを動かしました


でも現実はそんなに甘くなくて…

街に帰ると裏切り者は出て行けと
罵倒され、故郷を追われる学長一家


ラストシーンで街を去る彼らの顔は
なぜかとても清々しく見えました。


戦争さえなければ
ここに出てくる街の人達は皆、善人だったのではないかと。


誰が本当の敵なのか
憎むべきは誰なのか

判断を鈍らせてしまう

それが戦争の恐ろしさですね…


学長一家にしても

難民を助けるべきか、

自分達家族の生活を守るべきか、

場面ごとに混乱していて、一貫していない。


戦争時に正しい行いを貫いたヒーローの映画とは違って

戦争に巻き込まれた一家族の
等身大の姿が描かれてます。


良い映画でした。


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